三浦光太郞・三浦光

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夕方6時半、仕事を終えて倉庫に戻ってきた二人は、念入りにハケの手入れをしていた。今回ご紹介するのは、光建の職人、三浦光太郞さんと三浦光(ひかる)さんだ。二人は、兄弟である。

ビルのメンテナンス業に従事していた兄の光太郞さんは、5年前から、光建で仕事を始めた。「嘘をつかない」「手抜きをしない」「頼まれたことは断らない」といった社長の姿勢に心酔し、この世界に入ったとのことだ。

そして2年後、弟の光さんも光建に入社。もともと仲が良く、互いへの信頼は厚い。兄弟で同じ仕事をすることに抵抗感はなかったかと尋ねてみると、「僕たちにとってはあたりまえのことです」と、さらりとした言葉が返ってきた。光太郞さんが先輩風を吹かすこともなければ、光さんが光太郞さんの背を追い続けているという感じでもない。時々、「お兄ちゃん」と聞こえてくる声と言葉のやりとりに、ごく自然な、そして揺るぎない信頼関係を感じた。

「後々のケアは、いいですよ」と、光太郞さんは言う。

お客さんから施行後にかかってくる電話には、どんなことでも対応するとのこと。時には、「ガス台の火がつかない」「粗大ゴミを出すのに手こずっている」といった、塗装にはまるで関係のない相談ごとにも、ためらいなく出向いて応対しているらしい。道を歩いていると、電球を取り替えるのを手伝って欲しいと声をかけられたこともあったそうだ。

「(声をかけられたら)とりあえず、必ず行きます。(声をかけられた時点で)損得は考えません。でも、結局、得になるんですよね」光太郞さんはカラッと笑いながら、そう話す。その横で光さんは笑顔をたたえながら、光太郞さんの顔を見て頷いていた。

三浦兄弟は、とても気持ちのいいご兄弟だった。

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東京塗装の職人さんに話を聞いていると、仕事の大切な要素のひとつとして、お客さんの話を聞くことを挙げる方が多い。三浦兄弟もまた、どんな顧客の声にも耳を傾ける方々だ。加えて、このお二人には、生来の人懐っこさのようなもの感じた。まずは話してみようと、そう思わせる魅力のようなものを兼ね備えている。

光建には、社にも人にも光のある会社だ。

その光は、LED電球のような眩しいものではなく、熱せられることで光を発する、裸電球のフィラメントに近い。お二人の話を聞きながら私は、人の手によってなされる仕事は、熱を帯びた人に声をかけたいよなあと、改めて感じた。

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